はじめに

 オリジナルボイスドラマ「誓いの旅人たち」シリーズが本作で3作目となりました。2015年の第一弾に引き続き、2016年には音楽同人イベントであるM3にて第二弾を出展。そして本作の為の取材旅や制作を重ね、今こうして公開の時を迎えることをとても嬉しく思っております。この7/16を公開日に選んだのには訳があります。一つに「ケイの誕生日」であること。二つに「海の日であること」三つに「第二弾のドラマCD完売日であること」誓旅にとってはある意味記念日です。

 

 3.11 東日本大震災を背景に描くフィクションな物語ではありますが、物語の生地に練り込んだものは私の実体験が元になっており、リアルなものです。震災や現在各地で起こっている自然災害を体感した方々からすると「嫌だ!」と思わせる描写をしているかもしれません。だからこそ、中途半端に制作をしたくなくて、リスナーの方々や協力下さってる方々へ失礼になるようなことをしたくなくて。スタッフ・キャストの皆さまには大分無理を言って我儘をきいて頂いたように思います。そんな裏事情等知る由もない関係者の皆様には、口うるさく細かく本当に申し訳ないことをしてるなと思っております。

 正直何人去るだろうかと思っていました。自分が拘り強く頑固者で舞台方式でどんどん進めてしまうことは自覚していましたし、離れてく人は離れていくだろうなと。それを承知で「提出が遅い」と締切一か月前に全キャスト様へ催促メールを出したりも。…でも、でもですよ、辞退の声って上がらなかったんです。主催側が騒いだところで動じず、ただただ役にぶつかって下さる方々、楽曲を作って下さる方が多かった。そればかりか、関係者様の方から臨機応変に対応頂き、自主的に動いて下さる方々が多く、リテイク等にも前向きで…。リテイクの回数を重ねた方ほど役に深みが出てきてましたし、「役を演じてる声が聞こえる」というより、「役がそこに生きてる」なと思わされました。その姿勢や熱意の見え方が凄かった。そういう方にはこちらも遠慮なくぶつからせて頂きました。

 そうは言っても、本当のところ思う所は皆さんあったかと思うんです。けど、忙しい時間の合間を縫って、その方なりに考えて下さり役にぶつかる時間を作って下さった…、それが本当に有難いことだなって。「せっかく作るのだから良いものにしましょう!」こちらから何を言う前に、そう言って下さる方々が何人もいらっしゃいました。本作はこのメンバーだったからこそここまでたどり着いた「誓いの旅人たち」です。私はこのメンバーで第三弾を幕開け出来て本当に良かったと思っております。ここまでお力添え下さったスタッフ・キャストの皆さま、改めて御礼申し上げます。本当に有難うございます。

 又、取材先でお世話になりました乗馬クラブの皆さまや水族館・動物園スタッフの皆さま、ゲストハウスのオーナー様、ダイバーや漁師の皆さま等…お世話になった方々皆様に、厚く御礼申し上げます。人々と触れ合い、暮らしや文化に触れ、馬と触れ合い、手綱をにぎり駆け抜け、海へ潜り巨大なジンベイザメと泳いだり…。取材を重ねる度、自分自身のなにかも拡がって行くように思いました。それは相も変わらず、創作の製作費はダブルワークで稼ぐスタイルを貫いているからこそ、感覚は明確なもので。自分で成遂げるからこそ…やはり創作も取材の旅も楽しく思えました。今後とも物語を描く際は、いろんな意味でリアルを追及していきたい。だからこそ、やはり自分の力で汗水流して頑張った方が、求めてるものを物語に込められるんだろうなと改めて実感しました。

 ボイスドラマの制作をこれで最後にしようかなと思いつつ作ってきた本作ですが、16年間と7年間クラシックバレエとミュージカルで舞台に立ってきたことと、物心ついた頃から絵を描いてきたこととが物言いますね。なんだかんだ…創ることも、演じることも、やはり自分は好きなんだなと思いました。まだ製作途中なところもございますが、今このメンバーと共に最後まで大切に仕上げて参ります。ブログでご紹介させて頂いているメイキングや取材旅日誌と併せ、どうぞ最後までお楽しみ頂けましたら幸いです。

杉原明 2018.7.16

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